平成29年度税制改正大綱の決定

12/8(木)に与党が平成29年度の税制改正大綱を正式に決定しました。

https://www.jimin.jp/news/policy/133810.html

事業承継・組織再編の分野でもいくつか注目すべき改正ポイントが出ているようですので、これからしばらくは対応に追われそうです。

 

以下、ひと通り読んだところでの雑感です。

【取引相場のない株式の評価における類似業種比準価額方式の計算において、配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重を同じにした(現行は1:3:1の加重平均)】
・・・生命保険やリースや役員退職金等で一時的に利益を圧縮させて評価額を引き下げるスキームを検討している場合、大きな影響が出てくると思われます。

【組織再編税制の見直し】
・・・会社分割や現物分配制度における税務上の取り扱いが見直されました。これにより、特定の事業を切り出して別会社とするスピンオフが促進されると思います。また、現金対価の合併や株式交換の適格要件が見直されると同時に、全部取得条項付種類株式・株式併合・株式売渡請求を活用したキャッシュアウトマージャー手法が組織再編税制の枠組みに組み入れられたので、M&Aの場面で少数株主排除(スクイーズアウト)が行いやすくなりそうです。

【連結納税の開始・加入などにおける時価評価対象資産から、帳簿価額が1,000万円未満の資産が除外される】
・・・連結納税の開始・加入による自己創設営業権について、時価評価すべきか否かという論点が従来からありましたが、この問題がようやく決着するかもしれません。(自己創設営業権は通常は帳簿価額がゼロであることが多く、時価評価の対象から外れるという取り扱いになる可能性があります。)

年明け以降、詳細な取り扱いが順次判明してくると思いますので、しっかり注視していきたいと思います。

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